選択権がないまま進んだ看護の道

看護の道へ進んだのは高校時代の恩師の勧めでした。他の看護師のように「看護師になりたい」という強い思いがあって決めたわけではなく、当時、所属していた柔道部の顧問の先生に「おまえは優しいから看護師になりなさい」と言われたのがきっかけです。他にやりたいことがあったので驚きましたし、勉強も好きではなかったので正直当時は乗り気ではありませんでしたが、流れで看護師を目指すことにしました。准看護師の資格を取得して入職した病院もその先生からの紹介でした。当時は准看のままでいいと漠然と考えていましたがどんどん進学する周りを見ているうちに自分も正看護師の資格を取得しようと思うようになり札幌や小樽の看護学校を受験することにしました。それで合格したのが小樽の看護学校だったのです。進学に伴って転居することになり、勤務する病院も探すことになったのですが、当時勤務していた病院の上司が小樽と言ったらもう「石橋病院」だろうみたいな、ここでも私には選択権がなかったのです(笑)。石橋病院とは職員野球大会での交流もあり名前は以前から知っていて、さらに上司を通じてのご縁もあったのでもはや一択でしたね。
同じ院内でも様々な精神科領域の経験ができる

これまでずっと精神科病院で働いています。精神科については、ちゃんと治療すれば社会に復帰できるんだという認識はありましたが閉ざされたというイメージがあり、社会の偏見が厳しいっていうのが第一印象ですかね。精神科から離れたいなという気持ちが全くなかったわけではないのですがタイミングも合わず、でもまあ結局は精神科が一番好きなんでしょうね。ずっと精神科で行こうと今は気持ちが固まっています。当院には7つの病棟があるのですが、私は入職してからずっと同じ病棟に所属していました。この夏初めて異動になり、また新たに勉強しようという気持ちが湧いています。病棟が変わると同じ精神科でも別の領域の経験ができます。そういうチャンスが当院にはありますね。今は異動したばかりなので黙々と皆の足を引っ張らないように、無我夢中でやっているという感じですかね。自分の知らないことを学んでいくのが、今のやりがいです。前の病棟で支援させていただいていた患者さんが、退院して外来で受診される際に病棟まで会いに来てくれて、「社会生活を頑張っている」という話を聞くと元気をもらえます。必ず顔を出してくれる患者さんもいらっしゃってやはり嬉しいですよね。
職場・家庭・趣味のバランスが絶妙。中でも子どもとの時間が一番大切

今、職場と家庭と趣味のバランスがとても良いです。趣味のマラソンやゴルフに充てられる時間がしっかり取れ、それに加えて子供との時間も取れています。そこでリフレッシュしてまた仕事に行こうという気持ちになれます。共働きなので妻と協力しながら家事も担当しています。残業もないので私の方が早く帰宅します。5時に仕事が終わって5時半には家に居る感じです。早く帰ってきた方が夕飯を作れば良いという考えなんで、簡単なものしか作れないですけど、料理したりもしますね。家庭の時間を本当にしっかり取れてるという実感があります。やはり子どもと過ごす時間を一番大切にしています。当院には仕事・家庭・趣味をうまくバランスを考えながらやっていきたいと考える男性が多くいますね。奥様を支えて家事をこなしているという話もよく聞きます。
一人でも多くの患者さんの社会復帰を援助していきましょう

当院は地域から寄せられた信頼を大事にしてきたので、周りからあまり偏見がなくやれてるのかなっていう自負はあります。地域とのその距離感の近さというか、その辺はなんかこう働いていて感じるところがあります。一般科から転職して来た人で、前の職場のほうが給料が良かったという方もいますが、自分は普通に生活出来ていますし、確かに定時で帰っている分残業代の上乗せはありませんが、その分自分の時間を有効に使えますよということを伝えたいですね。
これから仲間になってくれる方とはとにかく長く一緒に働きたいなという気持ちが大きいです。精神科看護を一緒に学び、援助方法を一緒に深めて一人でも多くの患者さんの社会復帰を援助していきましょう。
(感染対策を行った上で、撮影時のみマスクを外しています。)